お取り扱い作家・工房のご紹介

 

副島泰嗣・副島微美子   http://www.seifu-sha.net/

有田白磁の人間国宝・井上萬二氏に師事し、1983年に独立。透明感のある無垢な白磁を目指し、轆轤成形による1点物を、個展を中心に発表。透し彫や彫文様の花器、鉢、香炉等は泰嗣、小品、食器等は微美子、とそれぞれの持ち味が活かして作陶。その美しい肌合いと造形力は、師をしのぐと評するファンも多い。近年、現代工芸アートフェアへの参加要請や、日本橋丸善での個展など、注目が高まっている。

 

船崎透

1964年生まれの萩焼作家。

1986年より第十二代三輪休雪に師事。

1992年に第89回九州山口陶磁展に入選後、数々の受賞を重ね、2011年には萩市文化奨励賞を受賞。

2013年、「萩陶芸家協会大設立20周年記念 萩の陶芸家たち展」において大賞を受賞。

登り窯による白萩の作品から、釉薬を吹き付ける独自の技法による現代的な作品まで手掛ける。その造形力と確かな技は、一見オブジェのようでありながら、「用」の部分を失わない不思議な魅力を持つ作品を作り出す。釉薬のコントロールにも長け、白萩は白の厚みと窯変によるピンク味がかった色合いが絶妙な味となっている。

 

江戸切子 清水硝子

大正121923)年創業。歴史と技術を持ちながら、百貨店などでは販売を行わず、数量を絞って独自の品質管理のもとに質の高い商品を作り続けている。

伝統的な切子の逸品も数多く制作する傍ら、切子の一般的なイメージからは外れた、シンプルな現代生活に寄り添う作品づくりにも取り組む。加工が大変難しい白や黒の被せ硝子もこなす。その技術とデザイン力が評価され、2010年関東経済産業局委託事業である東京の伝統的工芸品「チャレンジ大賞」優秀賞に選ばれた。ニッポンのワザドットコム編『職人という生き方 江戸切子』(2011年ブレインカフェ)の中で紹介されている。

職人が作ったものを大切にしたいという思いから、欠けたガラスの修理も行う数少ない工房。

 

吉岡幸雄 (染司よしおか五代目当主) http://www.sachio-yoshioka.com/

染司よしおかは、飛鳥天平の昔から江戸時代の終わりまで、人々が日常的に営んできた、草木花から色を汲み出し、美しい染織品を生み出すという伝統の技を、現代にも甦らせることを目指す京都の染屋。 

五代目当主の吉岡幸雄氏の活動は多岐に渡る。平成三年に奈良薬師寺三蔵院にかかげる幡五旗を多色夾纈によって制作し、きもの文化賞を受賞 (財団法人民族衣裳文化普及協会)。同四年、薬師寺「玄奘三蔵会大祭」での伎楽装束四十五領を制作。同五年、奈良東大寺の伎楽装束四十領を制作。天平の時代の色彩をすべて植物染料によって再現して話題となる。 

平成二十年、成田空港到着ロビーのアートディレクターをつとめる (グッドデザイン賞受賞)。また、源氏物語千年紀にあたり、源氏物語の色五十四帖を再現。平成二十一年、京都府文化賞功労賞受賞。

平成二十二年、日本古来の染色法による古代色の復元、東大寺等の伝統行事、国文学、国宝修復など幅広い分野への貢献が認められ、第58回菊池寛賞受賞(日本文学振興会主催)

著書、テレビ出演、多数。

   

三木竹材店 

明治時代、竹材卸問屋として京都に開業。主に京都の竹を使用し、原竹伐採から加工、施工までの一貫生産で品質管理を保つ。京都御所や寺院に用いられる造園材料をはじめ、竹垣施工や内装装飾、竹小物まで幅広く手掛ける。

京都府知事指定工芸品のひとつである「京銘竹白竹」は、京都独自の技法「火あぶり」によって油分を抜きながら磨きをかける。その後、3年~長いもので数十年、十分に乾燥させてできた伝統工芸品。三木竹材店は、代々受け継いだ技術により毎年数々の賞を受賞している。

その、象牙のような美しい艶と堅牢さは古くから好まれ、数寄屋建築をはじめ、剣道の竹刀、華道の花入れ、茶道の柄杓、弓矢の弓、など様々な伝統文化を支えている。

「竹が支える伝統文化」を大切にする当代当主・三木崇司は、竹小物の制作にも積極的で、竹とんぼを模したカトラリーはファッション雑誌等でも紹介されている。代表作であるマイ箸セットは、京都迎賓館において国公賓等をお迎えする晩餐会などで使用されている。

 

輪島屋善仁       http://wajimayazenni.co.jp/

江戸文化10年(1813年)善十郎家より善仁屋善七郎として独立。

昭和59年、「史上最良の物づくりをテーマ」に掲げ、民間初の漆芸デザイン事務所の設立。

平成2年、塗師文化を証明する歴史的建造物として、輪島町屋「塗師の家」を復元。隅々まで漆塗りを施された家屋は、日本一美しい町屋と専門家より評価される。

平成10年より「漆の森」づくりを始める。現在は林野庁、岩手県、二戸市、森林組合及び、地元有志の支援を受け、岩手県二戸地方の5か所に最大級の植林を続けている。

平成20年、50坪の巨大塗師風呂に見立てた上塗場「森の蔵」で上塗作業を始める。すべての製品が無油純正100%日本産の上質漆で塗られている。扱いが簡単で、使うほどに美しく育つ漆として、その品質を誇る。日本の漆への思いは、社長である中室勝郎氏の著書『なぜ、日本はジャパンと呼ばれたか―漆の美学と日本のかたち』(2009年、六曜社)で語られている。

 

輪島屋善仁の漆は、毎日普段使いしていただきたい器です

輪島屋善仁の漆器は、扱いやすさと使う度に増す艶が魅力です。食洗機・電子レンジ・冷蔵庫を避けていただく以外は、普通の食器と同じように扱って下さい。素材の良さと職人の技が行き届いていれば、漆器は堅牢で、使う度に漆本来の美しさを発揮する「使い手が育てる器」なのです。また、輪島塗の特徴である「布着せ」と「本堅地」が堅牢さを、上塗りに用いられる純正の国産漆が、奥深い輝きをもたらします。輪島屋善仁は、日本の漆文化を大切にし、その本来の姿を伝えるべく、日々取り組んでおります。

 

田村星都     http://saijitamura.main.jp/

「九谷細字」の技法を伝える唯一の窯を継ぐ。毛筆で細かな文字を絵付けする技であるが、その細かさは、小さな杯に百人一首を百首書き入れてしまうという。若い女性ならではの美しい色彩と、伝統的な九谷細字の雅さを併せ持った作品世界を作り出し、近年活躍の場を広げている。

 

小瀧千佐子

「日本の生活空間で使ってもらうためのヴェネチアン・ガラス」をコンセプトにデザイン。実制作にあたるのはヴェネチアのマエストロたち。歴史ある工房数十軒と懇意にし、それぞれのデザインの実現を得意とする工房を選んで制作してもらうことで、完成度の高い作品が完成する。見て美しいだけでなく、実際に使いやすく、和食器とも良く合うことことから人気。

倉山ショールーム 展示風景 春